企画展 終了しました 彫刻家・細川宗英展 人間存在の美 2017年10月7日(土)–2017年11月26日(日) 企画展示室 展覧会チラシを見る 消滅しゆく運命との“たたかい” 人間の遺産をつくる芸術家の責任を、築くものと崩れ去って行くものの間で、私はもう一度考えたい。日本的なものへの回帰と、小さなものでもよいのだ確かなるものを。(細川宗英) 「彫刻とは何か」を己に問い続け、人間の存在を追求した細川宗英(1930~94年)の特別展を開催します。 細川宗英むねひでは松本市に生まれ、諏訪市で育ちました。東京藝術大学美術学部彫刻科専攻科在学中から新制作協会展に出品し、その才能は早くから注目されます。日本的なものへ回帰するイメージから生まれた「装飾古墳」シリーズ、人間の内面を赤裸々にえぐり出す「男と女」「王と王妃」のシリーズ、鎌倉室町の頂相ちんぞう彫刻から想を得た「道元」、平安末期から鎌倉初期の絵巻『地獄草紙』『餓鬼草紙』による物語絵画を彫刻化したシリーズなどを発表。風化しゆく人やモノの姿をとおし、時間や歴史を超越して存在するもの、内に向かって削ぎ落としていくような造形を探求しました。 本展は、細川の初期から晩年までの作品(彫刻、デッサンなど)約90点をとおし、創作の変遷を辿ります。生きた証を残しおこうとする人間の執念、永遠なものへの祈り…。細川が彫刻に込めたむき出しの美は、生あるものが消滅しゆく運命との“たたかい”でもあるのです。 図録など関連グッズはこちらをご覧ください。 《王妃像 No.1》(部分)1984年 松本市美術館蔵 《道元》(部分)1972年 松本市美術館蔵 開催情報 会期 2017年10月7日(土)–2017年11月26日(日) 開館時間 9:00〜17:00(入場は16:30まで) 休館日 月曜日(祝日の場合は次の最初の平日) 会場 企画展示室 主催 松本市美術館 共催 一般財団法人 松本市芸術文化振興財団、信濃毎日新聞社、市民タイムス、松本平タウン情報、abn長野朝日放送 特別協力 諏訪市美術館 観覧料 当日券/大人 1000円、大学高校生・70歳以上の松本市民 600円 前売券/大人 800円、大学高校生・70歳以上の松本市民 400円 20名以上の団体は各100円引き 中学生以下無料、障害者手帳携帯者とその介助者1名無料 プレイガイド 松本市美術館、井上百貨店、こばやし画材、シナノ画房、手塚信古堂、ローソンチケット[Lコード35294]、セブンチケット[セブンコード057589] リピート割引 大人 600円、大学高校生 ・70歳以上の松本市民 300円 ※2回目以降の観覧料。要半券呈示。他の割引との併用不可 コレクション展も本展覧会チケットでご覧いただけます 関連イベント 講演会「細川宗英の彫刻表現」 講師 樽井 美波(彫刻家・清泉女学院短期大学助教) 日時 10月28日(土)14:00~15:30 会場 多目的ホール 料金 無料 定員 80名 申込 10月6日(金)から美術館へ ワークショップ ①大人のためのワークショップ 「鋳造でつくる彫刻メダル」 原型作りから型取り、鋳込みといった体験を通して細川作品の理解を深めます。仕上がったメダルはアクセサリーなどにしてお持ち帰りできます。 講師 羽田 顕佑(彫刻家・聖ヶ丘教育福祉専門学校専任教員) 日時 10月8日(日)10:00~16:00 会場 講座室・市民アトリエ 定員 一般20名(中学生以上可) 料金 2,500円 申込 9月6日(水)から美術館へ ②高校生のためのワークショップ 高校生講座「2000年後の化石を発掘しよう!」 インクとローラーを使って2000年後の未来から現代の私たちの生活を発掘します。発掘したものは、美術館に展示。細川展プレ・ワークショップです。 講師 柴川 敏之(美術家・就実短期大学教授) 日時 10月1日(日)10:30~16:00 会場 講座室・市民アトリエ 定員 高校生30名 料金 無料 申込 9月6日(水)から美術館へ ③子どものためのワークショップ あそ美じゅつ「2000年後の絵手紙をつくろう!」 今のモノをローラーでうつしとり、2000年後の「紙製の化石」をつくります。そこに2000年後の人々へメッセージを書いてみよう! 講師 柴川 敏之(美術家・就実短期大学教授) 日時 11月12日(日)13:30~16:30 会場 講座室・市民アトリエ 定員 幼児~中学生30名(幼児の場合は保護者同伴) 料金 100円 申込 10月6日(金)から美術館へ 学芸員によるギャラリートーク 日時 10月14日(土)・21日(土)、11月18日(土) 各日14:00~ 料金 無料(ただし、当日有効の本展観覧券が必要です) 定員 各日先着20名程度 申込 不要。企画展示室前に集合 ワークショップレポート(高校生講座) 風化しゆく人やモノの姿をとおし、時間や歴史を超越して存在するもの、内に向かって削ぎ落としていくような造形を探求した彫刻家・細川宗英作品への理解につながればと、高校生を対象としたワークショップを開催しました。 講師は、「2000年後に発掘された現代社会」 をテーマに制作を続ける美術家・柴川敏之さん。私たちにとって身近なものが2000年後の41世紀に発掘されたら、どんな様子になるでしょうか。帆布を2000年後の土に、ローラーを未来のスコップに見立て、松本市を発掘しました。 彫刻家・細川宗英展 プレ・ワークショップ 高校生講座「2000年後の化石を発掘しよう!」 開催日 10月1日(日)10:30~16:00 会場 講座室・市民アトリエ 参加者 20名 1.まず、「発掘」するものを並べていきます。 2.マンホール、キーボード…たくさんの身近なものが並びました。 3.土に見立てた帆布をかぶせます。今の生活が一瞬で土の下に埋もれてしまったイメージです。 4.最初はまっさらで、下に何が眠っているのかわかりません。 5.ローラー(スコップ)で、布(土)の下を探っていきます。 6.一面にいろいろな形が化石のように浮かび上がりました。 7.人も発掘されました。 8.ひとつに集めて、巨大な作品に。現在展示中です! このワークショップで制作した作品を展示中です! ワークショップ作品展示 『PLANET RUINS|2000年後の松本遺跡』 日時 2017年10月7日(土)~11月26日(日)9:00~17:00(入場は16:30まで) 場所 松本市美術館の2階プロムナードのガラス面 見所 この遺跡作品は、天気や時間帯によって見え方が変わりますので、いろんな表情をお楽しみください。 ①どんなモノが化石化しているでしょうか? ②松本市ならではのモノの化石を見つけてみましょう! ③何人の人体が発掘されているでしょうか? ④細川宗英の作品と同じポーズの人体を探してみましょう! 講師プロフィール 柴川敏之|SHIBAKAWA TOSHIYUKI 美術家、就実短期大学教授。岡山市在住。 1966年 アルベルト・ジャコメッティの命日(1966.1.11)に大阪府で生まれる。広島大学大学院修了。在学中から自ら絵具を作り、絵画制作を行う。1994年から広島県福山市の草戸千軒町遺跡やポンペイ遺跡に触発され、「2000年後に発掘された現代社会」 をテーマに制作を始める。1997年に文部省在外研究員としてイタリアに滞在し、フレスコ画やポンペイ遺跡の研究を行う。国内外のミュージアムをはじめ、歴史的建造物や商店街など、地域や場所にこだわった展覧会やプロジェクトを行っている。また同時に子どもたちや一般の人々を対象にしたワークショップを行い、物の存在や現代の諸問題を見つめ直す活動を続けている。 【個展・プロジェクト】青森県立美術館、川崎市市民ミュージアム、佐倉市立美術館、京都芸術センター、広島県立歴史博物館、奈義町現代美術館、高知県立美術館、九州芸文館他【グループ展】十和田市現代美術館、東京ステーションギャラリー、上野の森美術館、倉敷市立美術館、鞆の津ミュージアム、北九州市立美術館他【ワークショップ等】北海道大学総合博物館、多摩美術大学、伊丹市立美術館、大原美術館、ひろしま美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、浜田市世界こども美術館他 柴川敏之HP: http://www.planetstudio41.com 相互割引のご案内 長野県内では、松本市美術館・諏訪市美術館・美ヶ原高原美術館の3館で、細川宗英の作品を常設展示しています。本展開催中の機会に、細川彫刻に会いに出かけてみませんか。 当館の「細川宗英展」観覧券の半券を諏訪市美術館・美ヶ原高原美術館の受付でご呈示いただくと、団体料金でご入場いただけます。また、両館の観覧券の半券を当館受付でご呈示いただくと、「細川宗英展」が団体料金でご入場いただけます。 諏訪市美術館と美ヶ原高原美術館の相互割引もあります。 いずれの館も他の割引との併用はできません。 割引期間:10月7日(土)~11月26日(日) 諏訪市美術館 諏訪市湖岸通り4-1-14 TEL:0266-52-1217 休館日:月曜日、祝日の翌日、展示替え期間中 美ヶ原高原美術館 上田市武石上本入美ヶ原高原 TEL:0268-86-2331 休館日:無休、ただし11月6日(月)から冬季休館