コレクション展示 終了しました 作家の息づかい 2024年4月23日(火)–2024年7月21日(日) 上條信山記念展示室 《印々泥》1980年 書は、書き直しができない一発勝負の芸術です。制作時の呼吸やリズムの大切さは、スポーツや音楽にも通じます。例えば、大字作品で“見せ場”となる一本の線を引く時、一瞬息を止めたり、ハッ!と吐きながら一気呵成に書く呼吸は、あたかもバッターが球を捉える瞬間のように。多字数の行書作品であれば、運筆に緩急をつけたり、線に潤渇の変化をつけたりするリズムは、歌や演奏に似ています。 上條信山は生前に「作品にはニコリとするところがなくちゃだめだよ。」とよく話していました。勢いに任せた力強さだけではない、線質や墨色、余白の響きなどの書表現から生まれる包容力(雄大さ、優しさ…)や遊び心が感じられる作品ということでしょうか。書作品から作家の息づかいや人となりを感じていただければ幸いです。 作品リスト 《印々泥》1980年 《画沙》1980年 《技入神》1971年 《芭蕉句》1983年