コレクション展
高原の風趣-1-
会期 | 2019年5月28日(火) 〜 2019年9月29日(日) |
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会場 | 田村一男記念展示室 |
田村一男は1904年、現在の東京都中野区に生まれ育ちました。画家を志し、20歳を過ぎて訪れた信州・蓼科高原の雄大さに感銘を受け、日本の風土――とくに高原風景――を主題に92歳で亡くなるまで描き続けました。田村の作品は、写実的な風景画とは一線を画し、田村自身を画面に投影したかのような「孤高」と「清廉」をまとった、山の肖像画と呼べるような風情をそなえています。それは、厳冬期であっても野外での作品制作を続けていた田村だからこそ、自身の目と耳と肌で感じ、心でも感じた自然の態様を表現することができたのでしょう。
今回の展示では、約70年にわたる田村の画業から、清涼感に溢れる夏と、静寂の秋の高原、それに全国各地で取材された山々をご紹介します。
田村の描いた作品は、日本の山水画に通じるものとして語られることがあります。それは田村の絵と向き合う時、描かれている風景に一人ひとりの人生の機微、心情と想いを重ねることができる作品だからなのかもしれません。この空間で作品との対話をお楽しみいただければ幸いです。