展覧会情報

コレクション展

草間彌生 魂のおきどころ

《かぼちゃ》1999年

《かぼちゃ》1999年

《渚・紫の朝明け》1975年

《渚・紫の朝明け》1975年

《原爆》1954年

《原爆》1954年

《かぼちゃ》1999年
《渚・紫の朝明け》1975年
《原爆》1954年
会期 2016年10月16日(日) 〜 2017年4月2日(日)
会場 常設展示室 A

松本(ふるさと)でなければ体感できない、草間彌生の現在と原点

草間彌生1929年に松本に生を受けた草間彌生は長野県松本高等女学校を卒業後、京都市立美術工芸学校に進み日本画を学びます。松本、東京での個展を経て1957年に単身渡米し、ニューヨークを中心に約16年間活動します。草間彌生の個性は世界中で脚光を浴びることとなります。増殖する網目と水玉のイメージが平面作品、立体作品、ハプニング、反戦デモ、自主制作映画など様々な形となり、拡がっていきました。1973年に帰国し、拠点を東京へと移した後も精力的に制作を続けます。表現方法は絵画、ソフトスカルプチャー、コラージュ、版画、環境芸術、野外彫刻、映像、文学など多岐に渡り、我々の想像をはるかに超えた独創的な作品を生み出しています。

草間彌生の少女時代は、心の中から湧き上がる幻覚との闘いの日々でした。それらのイメージを小さな紙片に描き留めることが、草間芸術の原点のひとつと言えるでしょう。常に増殖しつづけるイメージはいつしか彼女の作品となって世界中に広がっていきました。

半世紀以上前に故郷から世界に飛び立った草間彌生という個性。近年さらにその輝きを増しています。草間作品が多くのファンをひきつけてやまない理由はどこにあるのでしょうか。数多の作品に一貫して流れ続ける草間彌生のメッセージ、「愛」「憎」「生」「死」「宇宙」…。通底する草間の声、時には叫びが鑑賞者の心と深く絡み合い、離れないからなのかもしれません。

草間彌生という稀有なこの才能は、天才と呼ぶに相応しいものです。しかし、その成果は決して容易に手に入れてきたものではありません。永い闘いの末、あらゆる制約から解き放たれた草間の魂が唸りをあげています。先駆者であることを自らに課し続ける草間の魂の軌跡を故郷松本で体感してください。