松本市美術館

コレクション展示

終了しました

旅の情景 —1—

2020年7月28日(火)–2020年11月15日(日)
田村一男記念展示室

《薩南雪天》1970年

田村一男は1904年、現在の東京都中野区に生まれ育ちました。画家を志し、20歳を過ぎて訪れた信州・蓼科高原の雄大さに感銘を受け、日本の風土――とくに高原風景――を主題に92歳で亡くなるまで描き続けました。田村の作品は、写実的な風景画とは一線を画し、田村自身を画面に投影したかのような「孤高」と「清廉」をまとった、山の肖像画と呼べるような風情をそなえています。

田村は制作にあたり日本各地を旅しています。当館ではスケッチ帖100冊余、頁数にして1700以上にもおよぶ資料を収蔵しています。田村は旅先で風景のなかに身を置くことにより、自己と向き合った画家といえます。
今や日々の生活は一変しました。人の移動が制限され、旅行もままなりません。人の心のあり方や、日常の景色さえも変えてしまいました。
眩しく光る新緑、真っ赤な太陽と青い空。夕日に照らされた紅葉の山々、心静かに深々と降り積もる雪景色など四季折々の風景が、今ほど愛おしく感じられることはありません。
今回の展示では、田村が日本各地を訪れて制作した山の峰々を紹介します。旅先での出会いや思い出を、穏やかな気持ちで、絵に重ねてご覧いただけたら幸いです。

作品リスト

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